縁というもの

人との出会いというものには「縁」というものがつきものある。 この縁について、研究室の仲間の間で議論をしていたのだが、 どうも、社会学的な発想からは理解しがたい。 例えば社会学にもネットワーク論やら、社会関係資本論やら、ハビトゥスやら、 縁につ…

それでもニューヨークは動き続ける。

アメリカが素晴らしい国だなどと言うのは、一種の幻想にすぎない。 まぁ実際すばらしいところはいくらでもあるのだろうが、 少なくとも私には理解ができない、というのが今回そう言う趣旨である。 東京生まれの私ですら、いくらかの憧れをもっていたニューヨ…

「スチュワーデス物語」と第2代「アテンションプリーズ」の違い

来週にハワイに行くということで、 アテンションプリーズ・ホノルル編のDVDを見て 今その予習をしているわけである そういえば、CBCテレビで、今 「スチュワーデス物語」の再放送をしていて、ついつい見てしまった。 この作品の放映も、私の生まれる前のもの…

ムスリムに学ぶ。酒の場を楽しめるのは、何のおかげか

バングラデシュから帰ってきて、1ヶ月が経つ。 にもかかわらず、現地で調子が悪くなった胃腸が 未だに言うことを聞いてくれない。 医者は感染症ではないのだと言う。 けれども、症状がはっきりせず、 薬を飲んでも完璧に回復しない中で、 本当に、体力的に疲…

『ラスト・フレンズ』の瑠美って何のシンボルなんだろう

いまさらだが、『ラスト・フレンズ』の特別編を見た。 この番組も、最初の方は、展開がどうせ読めるだろう、と 正直たかをくくりながら視聴していたのだが、 とんでもない、ストーリーに幅があり、 また何よりも、シェアハウスの5人と宗佑をはじめとして 様…

洞察力について―『ラスト・フレンズ』を楽しむための、一つの見方

「友だち地獄」 友だち地獄 (ちくま新書)作者: 土井隆義出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/03/06メディア: 新書購入: 13人 クリック: 338回この商品を含むブログ (106件) を見る最近出版された新書に『友だち地獄』というのがあって、 これが面白い。 …

「知る」行為はエロティックで、そしてそれは「生きる」上での力である

パワーと欲望 先日、ある友人と話をしていて、 その友人は、「私は好意をもった(もたれた)人がいると とことんその人のことを知りたくなる」と話した。 だが、そこで疑問となったのは、 果たして好意をもたれれば誰であれ、 その人のことを知りたくなるの…

人に「尽くす」ということ

「「尽くす」ことは素晴らしい」という言説への疑念 ここ数日、ある後輩と話をしていて感じることとは、 「尽くす」ことの難しさである。 これは、「尽くす」ことに日常的にかかわっている人なら 当たり前のように思うことであろう。 「尽くす」とは、対象は…

社会的不安の根源は何か

社会的不安の表面化としての格差論争 世間では、格差社会論争がいまだに続いているが, その格差社会論争の火付け役となった一人が、三浦展である。 著書『下流社会』で彼は、 1955年以降の一倍総中流化現象の「1955年体制」に対し、 2005年以降の階層化・下…

「かる〜いコミュニケーション」の奇妙さとその克服可能性

大森美香論は相変わらず放置したままだが、 とりあえず、久しぶりに連続的に別の内容を投稿してみる。 「かる〜いコミュニケーション」について コミュニケーションが自己と他者との意思疎通の役割を果たすとすれば、 そこに「軽い」や「重い」などの度量は …

「他者の他者」とはどういうことだったのか

大森美香論は実は散々だらだらと書いて未完なのだが、 とりあえずそれは置いておくとして。 ふとひらめいたことが、どうしても書き記しておきたかったことなので、 こちらを優先する。 じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書)作者: 鷲田清一出版社/メー…

大森美香脚本作品のケーススタディ

本章では前章を受け、 「きみはペット」、「風のハルカ」、「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」の ケーススタディを通し、大森美香の世界観を見てみることとする。 「きみはペット」 本作は、2000年より連載が開始された小川彌生の同名の漫画を原作とし、 2003年4月…

テレビドラマにおける「親密性の変容」と大森美香作品

昨年度の連ドラで個人的に特に印象に残っているものは、 「プロポーズ大作戦」である。 今作は、主人公の健(山下智久)が これまでずっと好きだった幼馴染の礼(長澤まさみ)の結婚を阻止すべく 過去にタイムスリップするというストーリーだが、 今作の面白…

大森美香のジェンダー観

以上の三作品を通してみたとき、大森作品の展開において いくつかの事件が作品中で起こることによって、 登場人物たちの関係性が変容していくことが描かれていることがわかる。 まず作品の核になっているのは、「秘密」とそこからの解放である。 たとえば、…

なぜ二校地間をわざわざ歩くのか――二校地間徒歩通学イベントの意義

今日は一日、二校地間徒歩通学イベントに参加してきた。 うちの大学といえば田辺と今出川(と学研都市)に キャンパスが分かれており、 その両校地間は35km近く離れているとされるが、 その間を徒歩で通学してみよう、という、 何ともお馬鹿な(失礼!)企画…

なぜ宮崎あおいはバングラデシュでスカーフをしなかったのか

私が今春にバングラデシュを訪問してから久しいが、 その中で、先日TBS・MBS系で 「未来の子どもたちへ〜地球の危機を救うお金の使い方」という番組がやっていて、 その中で宮崎兄妹がバングラデシュを訪問する様子が映されていた。 正直なところこのバング…

教育実習を振り返って その2

教育実習を経て学んだ点として大きく二点、 教授法に関連した事項と、教師としてのスタンスについての事項に分かれる。 まず、教授法に関連して、 第一に、その一時間の学級をいかに運営するかという問題がある。 生徒にも、出来不出来、理解度には差がある…

教育実習を振り返って その1

教育実習を終え、 教師の仕事をわずかばかりだがさせていただいて思ったのは、 この仕事が想像以上にハードだなということである。 教師の仕事は、一般にイメージされるような 教壇に立つ仕事だけではない。 教えるためにはただ知識があるだけではなく、 教…

大学のゼミの意義について

今日は所属ゼミの面接に在学生代表として参加してきたのですが、 面白く思いつつ、しかしなかなかおもしろくなかったですね。 面白いなと思ったのは、面接に来ている学生が実に多彩で、 例えばある競技でインターハイ全国優勝した経験があったりとか、 自分…

堀北真希論 下(終) - 優等生美少女女優としての「堀北真希」〜メディアの映し出す「理想の女子生徒」としての堀北真希〜

ブラウン管の向こう側に映る芸能人は、 時に視聴者である私たちにとって憧れの存在となります。 自分から一方的に他者を承認したり、他者から一方的に自分を承認されたりという 「非対称」な人間関係においては、そのコミュニケーションから 私たちは憧れの…

琵琶湖環状線について

詳細を書く時間がないので、引き続いて、写真の説明だけでということで失礼。 今度は今年の11月上旬に乗ってきた様子。 北陸本線・湖西線の敦賀までの直流化工事が完了して、 新快速も福井県は敦賀まで延伸することとなったわけです。 写真は、その新快速…

福井鉄道について

今年の10月に乗ってきた様子。 先日導入された旧名鉄車両(写真では右側)の路面電車が異様に揺れたこと、 「路面電車化」の割には駅間距離が長くてもったいない感じがしたこと、 そんな印象が残ってます。 あんまり説明しやすい写真ではないのですが、 武…

「鉄板少女アカネ」の堀北真希について その1

今クールのドラマは、なかなか良作が多いと思って、 まず、「14才の母」に始まり、 「のだめカンタービレ」、「Dr.コトーの診療所・2006」、 「セーラー服と機関銃」、 それから視聴率こそ裏番組のせいで低迷する「嫌われ松子の一生」など。 あと、「役…

「障がい」などの社会的レッテルについて

昨日、今日と、教職課程必修介護等実習で某養護学校に行ってまいりました。 その養護学校が主に扱う生徒は、知的障がいを背負う子どもです。 一般的に養護学校の生徒のイメージで言うと、 非常に重度で、どうしても「普通の」学校に行くことができない、 そ…

「14才の母」について その1

「14才の母」は衝撃的でした。 まぁ衝撃的というか、衝撃的で終わらせてはならないところに このドラマの特徴が見出せそうなので、 それについてちょっと述べておこうと思います。 ドラマの村瀬プロデューサーによれば、 金八第一シリーズのように年齢設定を…

マニュアル依存的態度について

これから接客についての話をまず始めていくわけですが、 そこでどこかの店に何か文句を言い出すのかというとそうでもない。 まぁ、文句は文句かもしれませんが、これは根本的な問題点についてです。 最近ますます腹が立ってきているのは、 「会員カードはお…

門出の言葉について

サークルの後輩が、突然W大学への編入が決まったと言うので、 急だが門出の言葉を考えなくてはならなくなった。 門出と言えば、毎年僕は後輩や浪人した同輩が初春に大学入学を決めたとき 送っているものなので、不慣れと言うわけでもない。 しかし、いつも…

日本の鉄道でこそ味わえる旅情

日本に帰ってきて早一週間経ちますが、 イギリスでの数々の経験は今でも新鮮です。 イギリスでの話を今回でとりあえずしめくくるとして、 最後の話題を何にしようかと考えたとき、 ゼミの話も絡めて、鉄道の話にすることにしました。 まずとりあえずゼミにつ…

日本の大衆飲酒文化の欠陥

日本人にとって、欧米人は「酒好き」であるというイメージがあるわけですが、 それは一面で正しくて、一面で間違っています。 とりあえずイギリス人を例に考えてみます。 正しい一面というのは、 イギリス人はお酒を「量的にも」「質的にも」ものすごく飲む…

日本人と英語について

「日本について」としたらまた漠然としたテーマですが、 今回大したことを述べることは出来ません。 ただ、なんとなく感じたことだけ、とりあえず記録しておこうと思います。 日本人にとって「日本」とは、 まぁ強い国であり、先進国であり、などといったイ…