2008-01-01から1年間の記事一覧

それでもニューヨークは動き続ける。

アメリカが素晴らしい国だなどと言うのは、一種の幻想にすぎない。 まぁ実際すばらしいところはいくらでもあるのだろうが、 少なくとも私には理解ができない、というのが今回そう言う趣旨である。 東京生まれの私ですら、いくらかの憧れをもっていたニューヨ…

「スチュワーデス物語」と第2代「アテンションプリーズ」の違い

来週にハワイに行くということで、 アテンションプリーズ・ホノルル編のDVDを見て 今その予習をしているわけである そういえば、CBCテレビで、今 「スチュワーデス物語」の再放送をしていて、ついつい見てしまった。 この作品の放映も、私の生まれる前のもの…

ムスリムに学ぶ。酒の場を楽しめるのは、何のおかげか

バングラデシュから帰ってきて、1ヶ月が経つ。 にもかかわらず、現地で調子が悪くなった胃腸が 未だに言うことを聞いてくれない。 医者は感染症ではないのだと言う。 けれども、症状がはっきりせず、 薬を飲んでも完璧に回復しない中で、 本当に、体力的に疲…

『ラスト・フレンズ』の瑠美って何のシンボルなんだろう

いまさらだが、『ラスト・フレンズ』の特別編を見た。 この番組も、最初の方は、展開がどうせ読めるだろう、と 正直たかをくくりながら視聴していたのだが、 とんでもない、ストーリーに幅があり、 また何よりも、シェアハウスの5人と宗佑をはじめとして 様…

洞察力について―『ラスト・フレンズ』を楽しむための、一つの見方

「友だち地獄」 友だち地獄 (ちくま新書)作者: 土井隆義出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/03/06メディア: 新書購入: 13人 クリック: 338回この商品を含むブログ (106件) を見る最近出版された新書に『友だち地獄』というのがあって、 これが面白い。 …

「知る」行為はエロティックで、そしてそれは「生きる」上での力である

パワーと欲望 先日、ある友人と話をしていて、 その友人は、「私は好意をもった(もたれた)人がいると とことんその人のことを知りたくなる」と話した。 だが、そこで疑問となったのは、 果たして好意をもたれれば誰であれ、 その人のことを知りたくなるの…

人に「尽くす」ということ

「「尽くす」ことは素晴らしい」という言説への疑念 ここ数日、ある後輩と話をしていて感じることとは、 「尽くす」ことの難しさである。 これは、「尽くす」ことに日常的にかかわっている人なら 当たり前のように思うことであろう。 「尽くす」とは、対象は…

社会的不安の根源は何か

社会的不安の表面化としての格差論争 世間では、格差社会論争がいまだに続いているが, その格差社会論争の火付け役となった一人が、三浦展である。 著書『下流社会』で彼は、 1955年以降の一倍総中流化現象の「1955年体制」に対し、 2005年以降の階層化・下…

「かる〜いコミュニケーション」の奇妙さとその克服可能性

大森美香論は相変わらず放置したままだが、 とりあえず、久しぶりに連続的に別の内容を投稿してみる。 「かる〜いコミュニケーション」について コミュニケーションが自己と他者との意思疎通の役割を果たすとすれば、 そこに「軽い」や「重い」などの度量は …

「他者の他者」とはどういうことだったのか

大森美香論は実は散々だらだらと書いて未完なのだが、 とりあえずそれは置いておくとして。 ふとひらめいたことが、どうしても書き記しておきたかったことなので、 こちらを優先する。 じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書)作者: 鷲田清一出版社/メー…

大森美香脚本作品のケーススタディ

本章では前章を受け、 「きみはペット」、「風のハルカ」、「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」の ケーススタディを通し、大森美香の世界観を見てみることとする。 「きみはペット」 本作は、2000年より連載が開始された小川彌生の同名の漫画を原作とし、 2003年4月…

テレビドラマにおける「親密性の変容」と大森美香作品

昨年度の連ドラで個人的に特に印象に残っているものは、 「プロポーズ大作戦」である。 今作は、主人公の健(山下智久)が これまでずっと好きだった幼馴染の礼(長澤まさみ)の結婚を阻止すべく 過去にタイムスリップするというストーリーだが、 今作の面白…

大森美香のジェンダー観

以上の三作品を通してみたとき、大森作品の展開において いくつかの事件が作品中で起こることによって、 登場人物たちの関係性が変容していくことが描かれていることがわかる。 まず作品の核になっているのは、「秘密」とそこからの解放である。 たとえば、…