教育実習を振り返って その2

教育実習を経て学んだ点として大きく二点、
教授法に関連した事項と、教師としてのスタンスについての事項に分かれる。


まず、教授法に関連して、
第一に、その一時間の学級をいかに運営するかという問題がある。
生徒にも、出来不出来、理解度には差があるし、
また授業への参加度にも差がある。
授業という一つのドラマを作り上げるにあたり、
脚本家で監督である教師は、
いかにしてキャストである生徒を演じさせるか考えるにあたり、
生徒一人一人のその理解度や参加度を考慮しなければならないし、
もちろんそれを図らなければならない。
またその理解度や参加度も一定ではない。
机間巡視やテストを駆使しながら、
その状況について常に把握している必要がある。


第二に、授業づくりは生徒の立場に立ったものでなくてはならない。
教師の世界と生徒の世界は異なる。
教師の世界の中で自己完結した授業が、
生徒の世界で受け入れられるものではない。
あくまで授業の主人公は生徒である。
生徒が理解しやすい授業、関心をひく授業を目指す必要がある。
その上で、教師は生徒からの評価を参考にしながら、
柔軟な授業づくりをしていかなければならない。


また、教師のスタンスについて。
教師というものは、生徒に威厳ある態度を見せながら、
さまざまな指導をしていかなければならない一方で、
柔軟な姿勢を見せていかなければならない。
生徒に示す姿勢は、あくまでそのバランスの上に成り立つものであり、
どちらかに偏るものであってはならない。
各生徒の発達がまずあって、
その上に教師の存在があるのである。