堀北真希論 中 - 「堀北真希=文化系美少女」説について

私は読んでいなかったので内容まで言及できませんし、
文化系女子についての知識が希薄なので論拠がいまいち曖昧なのですが、
ダヴィンチ4月号で文化系女子について特集がされたらしいですね。
記事の中で、堀北真希文化系女子の典型として取り上げられていた、とのこと。
果たして、堀北真希の「光」が文化系女子の光だといえるのでしょうか。


文化系女子の定義について、
ダヴィンチは以下の定義を掲げているようです。
>いつもひとりでたたずみ、友だちがいない、居場所がない、表現の世界に救いを求め、言葉の世界に居場所を見つけようとする……。
>でも、だからこそ独自の感性を獲得している。
>そんな「文化系女子」の表現、言葉に注目したいと思い、今回の企画が生まれました。
堀北真希に「影」があるとしたら、
確かに、ダヴィンチのこの表現がまさにその「影」に当てはまりそうです。


ダヴィンチは文化系女子についてカワイイものという扱い方をしています。
つまり、文化系女子とはメガネかけてキモそうな女の子ではなくて、
カワイイと思われる存在、すなわち文化系美少女である、と言うことができます。
ダヴィンチは、以下20項目のうち15項目に当てはまれば
文化系女子に当てはまると言います。


1.読書が好き 
2.映画や美術鑑賞が好き 
3.文章を書いたり絵を描いたりものづくりするのが好き 
4.日記をつけている(つけていた) 
5.ひとりでいるのが好き 
6.友だちは別にいなくてもいい 
7.子どもを産みたくない 
8.散歩が好き 
9.アウトドア・スポーツが苦手 
10.メガネをかけている(かけていた) 
11.流行りものに興味がない (古いものが好き) 
12.長生きするより早死にしたい 
13.死にたくなったことがある 
14.妄想癖がある 
15.知らない駅で途中下車したことがある 
16.頭のイイ男が好き 
17.ハリウッドは嫌い 
18.季節の中で夏がいちばん苦手 
19.10歳以上年上の男とつきあったことがある 
20.肌色のストッキングはめったにはかない


堀北真希がこのどれだけに当てはまるかは
情報が完全に集まるわけではないのでなんともいえませんが。
しかし、少なくとも読書が好きだったり、
知らない駅で途中下車する番組に出演したり、
目が悪い(コンタクト)であることなどを考えると、
大方これに近いということができるかもしれません。


文化系女子が文化系美少女、すなわちカワイイ存在として注目され始めたのには、
「かわいい」という言葉の裏表に関連しているかもしれません。
四方田犬彦は『「かわいい」論』(ちくま新書)で、
「かわいい」とはどこかグロテスクな性質を兼ね備えたものである、
というようなことを述べています。
堀北真希が、文化系女子として(でなくても)注目されるのは、
ただ単に端正な顔立ちをしているからだけではなくて、
文化系女子的な仕草をするからである、ということができるかもしれません。


しかし同時に、堀北真希文化系女子だからカワイイと言うのならば、
堀北真希のカワイさだけでなく、堀北真希のグロテスクさ、
つまり堀北真希の「影」まで認めなければならないことを忘れてはなりません。
堀北真希=文化系美少女」説にはそこが抜けている気がします。
堀北真希ってかわいいよね。」という論調だけではだめなのです。
堀北真希文化系女子として扱われる限り、
堀北真希の「光」ばかり注目していてはならないのです。